5月9日の午後、あるニュースが中国のネットを駆けめぐりました。
《留学生が校内で女子大学生を強姦する》
5月7日の晩、江西中医学院の女生徒が実験楼で留学生に強姦された。彼(原文ママ)の男友達も当時その場にいて数人の外国人に押さえ込まれ、自分の女友達が目の前で犯されるのを見せられた!学校は事を穏便に解決させるため古臭い手を使い、公費で保研(テストを免除して進学させる)したが、その女生徒は既に頭がおかしくなってしまって、保研が何になるんだ?現在学校は情報封鎖している。
NTRもののエロマンガを連想させる痛ましいニュースです。このニュースはボクがネットで簡単に検索しただけでも、豆瓣(中国版SNS)や百度貼度(百度の掲示板)、そして微博(中国版Twitter)でも当然ながら話題になっています。
しかしどこのサイトを開いても情報ソースが出て来ません。書き込まれるのは脊髄反射的で感情的なコメントと詳しい情報を要求する懐疑的な発言です。けれども各サイトで原文がリツイートされていくうちに、『この女生徒は中医学院の15棟に住んでいる。ただ情報公開者のプライバシーを守るため名前や経歴は明かせられない』といった《詳しい》情報がいつの間にか判明されます。
そして外国人や留学生への不満や、『うちの大学でも起きたよ』という第三者の実体験など本事件を補強する怪情報がゾクゾクと現れます。ですが相変わらず確証のある事実は出て来ません。
9日の午後5時になるとニュースサイトも動きだし、今回の事件の一連の流れを説明する記事をネット上に掲載しました。そこで学校側が調査した結果、事件は全くのデマであるということが明らかになりました。
犬の評価なんてのはつまるところその犬の飼い主への評価である。
だからただでさえ犬嫌いなボクなんかは、北京にいる犬に良い感情なんか到底抱けない。
リードは付いていないし、糞はそこかしこにするし、そもそもしつけがきちんとされているのか疑わしい犬もいる。犬がひとさまに迷惑をかけても本当に悪いのはペットを飼うモラルがない飼い主だ。
しかしこのような事件が起こると愛犬家だろうが犬の虐待犯だろうが、犬に密接に関係している人間は犬のこととなれば他人の目を気にせず周囲に迷惑をかけるものなのではという偏見を持ってしまう。
15日の昼頃、ベンツを運転している若者が京哈高速道路(北京-ハルピン間の高速道路)上で犬が積まれたトラックを止め、この車の犬が食肉として吉林省の長春に運ばれていると直ちに理解した。そこで彼が微博にこのことを書き込むと数百の愛犬家のネットユーザーがトラックの停まっている高速道路出口にまで駆けつけて、「放狗、放狗」と犬の解放を叫んだ。
結局、その500匹あまりの犬たちは動物保護組織とネットユーザーが金を出して買い戻し、小動物救済所に送り届けられた。
2011年4月17日の北京晨報より
2月末のジャスミン革命を前後してグーグルのGmailの調子が悪くなりました。日曜日となるとページを読み込むのにすこぶる時間がかかり、ネットが軽くなる時機とアクセスが偶然合致しないとメールが読めません。
米グーグル、「Gメールを妨害」と中国を批判
http://www.afpbb.com/article/economy/2791769/6932998
ここ数週間Gmailは腹立たしいほど重く、不便が生じましたがその反面グーグルの検索機能は驚くほどスムーズに使用できました。
以前はグーグルで単語を検索すると政治的なワードはともかく、「なぜ?」と理由を知りたくなるような平凡な単語まで検索することができず、よくこんなページが出ました。
時間をおいて再度検索すると何事もなかったように結果が表示されるので、どうせ金盾の適当な設定のせいだろうと思い、不便を覚えてイライラしても困ることはなかったです。
だから最近のGmailの不調と検索機能の好調には妙なちぐはぐさを感じながらも、『中国だからしょうがない』と納得していました。
しかし一週間前、おそらく3月14日に閉幕した全人代以降でしょうか。中国関係のニュースについて調べ物をしたくていつものようにグーグルツールバーで『中国 ○○』と入力すると、上記の画面になりました。
たまにはこういうこともあるだろうと、その日はそのままにしました。そして先週の土曜日に、日本の大震災のために中国で行われているボランティアについて調べようと『中国 募金』と入力して検索すると、またもやページ読み込みエラーの画面が出ました。
でも変なんです。ボクはここ数週間、中国とは思えないほど快適にグーグルを使えていたのに、中国のことを調べようとするときに限って中国らしい理不尽な対応をされます。もしやと思い、時間をおいて『中国』と一単語だけ入力するとやっぱり遮断されます。
ボクが住んでいる場所(ボクは北京市東部の朝陽区に住んでいます)の問題なのかと、海淀区(北京の西側)にいる友人に聞いてみても、やはり『中国』が検索の障害になっていると言われました。
まさか中国政府は自国の名前を検閲対象に入れたのでしょうか。国名自体がNGワードになるってことは、中国は『中国』自身を社会と人民を惑わす有害な存在と指定したのでしょうか。それとも、書くことすら憚られるほど畏れ多い言葉になってしまったのでしょうか。
ちなみに中国のグーグル(谷歌)では検索可能です。しかし出て来るのは中国語のサイトばかりなので情報の面で言えば全然役に立ちません。
これでますます中国にいながら中国を知られなくなりました。
追記:3月22日現地時間の午前1時に『中国』を検索したらちゃんと表示されました。浮かれてもう一回検索ボタンを押すとやっぱり遮断されました。もう何が何だかわかりません。
中国のニュース番組を見ていると、現行犯逮捕されたスピード違反者が愚痴をこぼす姿や、警察署の一室で反省を述べる犯罪者の生の姿がよく映る。顔にはモザイク処理などされていないし、犯罪者たちもカメラをそれほど意識してはいない様子だ。
日本とは異なり裁判所の中も撮影が許されているらしく、法廷でうな垂れる被告人の姿を見ることも出来る。
犯罪者を公開することで犯罪の抑止を企てている公安の思惑は、しかし最近空回り気味である。
兼ねてから売春婦や軽犯罪者を大衆の面前にさらし者にするやり方がネット上で反発を招いていた。そして先ごろに報道された一枚の写真が今回の改名騒動のきっかけになった。
※注意:リンク先は中国のサイト。裸の女性の写真があります。
12月11日公安部治安管理局は『以前は売春婦と呼んでいた彼女たちを不良女性と呼ぶことにして、特殊な仕事をしている人々も尊重するべき』と声明を発表。
また11月28日には社会保障部や全国婦女連合などに売春婦の人権や健康、名誉やプライバシーを保障し、差別や暴力を加えてはならず、捕まえた彼女らを大衆の面前に曝すことのないようにとも通告した。