12月26日にアニソンカラオケ大会というものが開かれました。
〔公式サイト〕
http://comictime.blueink.org/neo/
http://comictime.blueink.org/neo/portal.php?mod=topic&quickforward=1&topicid=10
今回で3回目か4回目になるこのイベントは、中国各地から集められたセミプロ?レベルの中国人が日本のアニソンを歌いまくるというものです。私も去年行われた大会に見に行ったことがあり、中国人オタクの底力というものをまざまざと体験させられました。
去年の模様
http://yominuku.blog.shinobi.jp/Entry/184/
去年と同じ会場の『MAO』に13時30分の開演に遅れて着くと、入り口にカメラと音声マイクを携えたテレビ局の人員を見かけた。邪魔だなぁと思い、中国語で「ちょっと通して」と言うと返ってきたのはまさかの日本語で「おい、お客さん来たからどけろ」。
カラオケ大会のスタッフに話を聞くと、どうやら日本のテレビ局が取材に来ているらしい。スタッフの責任者がカメラに撮られてインタビューされているのを見ると、この団体が学生主体であるなんて夢のように思えた。
入場料30元(約370円)を払い、イベントの合間に行われる抽選のチケットをもらうと《150》と書いてあった。ボクの前にもう150人も来ているらしい。
会場は満員とは言えなかったが、ステージ前は前回同様黒い人だかりができていて入れない。仕方なく中間あたりでカラオケを聴く。毎度のことながら彼ら歌手の歌の上手さと流暢な日本語には驚かされる。
このアニソンカラオケ大会は歌っているのはステージ上に立っている歌手なのだが、観客も歌ってもよいため会場のスクリーンには観客に向けて歌詞が流されている。
だから『創世のアクエリオン』のときはきっと観客全員が『あーいーしーてーるー!!』と絶叫したことだろう。
曲のラインナップは詳しく覚えていないのだが、マクロスFの『ノーザンクロス』や東方プロジェクトの歌や『だんご大家族』、初音ミクの歌、平野綾の『WHITE ALBUM』、ちょっと意外な歌ではハチミツとクローバーの主題歌『魔法のコトバ』などが披露された。
上海から来たイケメンがB'zの『愛のバクダン』を歌ったときは面を食らった。何せ彼の歌声がモノマネ大会に出られるぐらい稲葉そっくりだったのだ。しかし、大部分の観客は単純に盛り上がるだけでボクのように驚いてはいなかった。
そして最後は歌手総出演でクリスマスらしくサクラ大戦のクリスマスソング『奇跡の鐘』を観客と一緒に合唱。
今日ーはー特別なー日ー
だから 奇跡がー起こるー(うろ覚え)
と歌い上げ、去年と比べて綺麗にシメを迎えた大会だった。
しかし今回のアニソンカラオケ大会、入場料を払った客として率直な意見を言わせてもらうと盛り上がりに欠けた。
考えられる理由として思い当たるのが、歌手と観客の知識の差だ。
もともとこのアニソンカラオケ大会は歌手と観客の間でアニメ・漫画好きという趣味趣向は一致しているものの、歌い手の方がよっぽどその方面には詳しい。だから選べる曲のレパートリーも豊富だ。邪推すると、歌手が自分の好きな曲を勝手に選んでいるような気がするのだ。
じゃなければブレイブストーリーやハチクロの主題歌、ましてやアニソンでもないB'zの歌なんか歌わないだろう。カラオケ大会ではあるものの観客が盛り上がれない曲を歌う理由がどこにあったのだろうか。(そういえば去年、日本ブレイク工業を歌った勇気ある歌手がいた。)
この感想はあくまでも北京在住の日本人が抱いたものである。中国人から言わせればただの邪推とされるかもしれない。
だが、中国人のオタクはアニメ・漫画という共通項の中で好みが更に細分化しており、近い将来には一概に《中国人オタク》で括れないときが来ると思われる。そのときがくればアニソンカラオケ大会もジャンルで分けられて、東方限定カラオケ大会やボーカロイド限定なんてイベントが開かれそうだ。
いや、そもそも『オタク』なんて言葉自体が幻想か。
とにもかくにも来年夏のアニソンカラオケ大会が楽しみだ。