中国には娯楽が少ない。
こんな文句を日本人から何度聞かされたかわからない。
外に遊びに行っても本屋やコンビニには日本のように漫画が置かれていないし、ショッピングにしても目の肥えた日本人にとって中国のショッピングモールは見てもあまり食指が動かない。
おとなしくネットをしていてもYoutubeは見られないし、特定のURLは当局から弾かれるし、ライブドアやはてなは何故か画像を非表示にされている。最近ではニコニコ動画すら規制されたから、留学生はさぞかし退屈の日々を過ごしていることだろう。
だがそういうときこそ外に出て遊びに行くのはどうだろうか。別に外で羽根蹴りや象棋をしろというのではない。日本人の誰もが一度は行ったことがあるに違いない場所に行けばいいのだ。
それはゲームセンター。日本よりグレードは落ちるがそこそこ遊べるものである。ゲームなんてと言うかも知れないが、最近パチンコも遊べるゲーセンができたので冷やかしでも一度ぐらい行ってみてはいかがか。
ここで中国のゲーセンについて簡単な説明を。
中国のゲーセンはすべてコインで遊ぶシステムだ。受付に行くと1元1コインで両替してくれる。と言ってもゲーセンや土地によってこの比率は異なる。08年や09年の北京にあるゲーセンは2元で1コインだったし、もっと以前の話では5毛(1元の半分)で1コインだったこともあるらしい。
ゲーセンのゲームはその大半がお下がりで成り立っている。必ずあるのがバスケットゲームとKOF97とスト2だ。しかし一方で最新機種の鉄拳6が同居している。太鼓の達人もシリーズ12弾か13弾の筐体があり、新旧のゲームが特に違和感もなく設置されている。
レースゲームでは頭文字Dやマリオカート、シューティングゲームなら首領蜂や式神の城、ガンシューティングならHouse of the dead4やタイムクライシス4がある。
中国産のゲームも当然存在する。三国志の英雄を操って敵を倒していくファイナルファイトのような横スクロールのゲームや、ダンスダンスレボリューションのような音楽ゲームがそれだ。
古い筐体なら1コインで楽しめるが、鉄拳6となると2コイン、レースゲームや音楽ゲームなど大きい筐体は2~3コイン必要である。
日本から持ち込まれたゲームは字幕も音声も当然日本語だが、もともと複雑な操作など必要ではないためにこれでも十分に楽しめる。また太鼓の達人はアジア版の筐体があるらしく、中国語の説明があり中国の歌を選曲して遊ぶことができる。
最近流行ってきたのはメダルゲームで、中でもプッシャーゲームと呼ばれるゲームは日本と同様人気がある。コインを投入してマシンの中のコインを押して落とすという単純なルールが受け入れられたのだろうか、コインを大量に使うはずなのに客足は絶えない。コインが1枚1元になったのはこのメダルゲームが原因じゃないのかと勘繰ってしまう
メダルゲームで貯まったコインは預け、ある程度の枚数になるとゲーセンで景品と交換することができる。電化製品やオモチャに並んでWiiやPS3などの目玉景品が置いてあるが、いったい何枚貯めればもらえるのだろうか。
しかし、こういう景品交換システムが既に確立し、プッシャーゲームという単純な遊戯が受け入れられた段階でパチンコがゲーセンに参入することたやすいことだっただろう。
というわけで次回は北京で初めてゲーセンに設置されたパチンコとパチスロを紹介する。