合租男閨蜜 著:正月
「合租」とは一つのマンションの部屋に数人が共同で住むことを指します。「男閨蜜」とは女性から見て一般の男友達よりは親しいが、彼氏という関係ではない男性を指す言葉だそうですが適当な日本語はあるんでしょうか。
中国の、特に北京や上海の家賃は高いので独身者は友人やネットなどで募集した他人とルームシェアをします。私の外国人の友人も昔、2人の中国人女性と3人でひとつのマンションに暮らしていたので、恋人の関係ではない男女2人が同棲することも中国ではおかしいというわけではなさそうです。
この漫画は大学時代そんなに親しくなかった凌小邪(男)と童仙仙(女)が、卒業後に手違いで同じマンションに暮らすことになり、傍目には恋人同士に見えるが実際は友人同士という生活を送るという内容です。
私はこの漫画を読んで初めて「男閨蜜」という言葉を知ったのであまりよく理解していないせいもあると思いますが、友達以上恋人未満であるが単なるルームメイトでもない「男閨蜜」というあやふやな存在を飲み込めないまま読み終えてしまいました。ですので、今も疑問符ばかりが浮かんできます。
というよりも…
いや…お前ら今はフリーだし(童仙仙には片思いの男性がいる)、まだ若いんだからそのまま付き合っちゃえば良いんじゃねぇの?って思うのですが、この設定って果たして中国人には受けるのでしょうか。
それとも、恋人でもない女性と同棲している中国人男性はこういう関係を羨むのでしょうか。個人的には『お笑い』よりも理解し難い設定だったと思っています。
(ちなみに、上のシーンはすべてウェブ漫画からコピーしたものですが、オッパイ揉んでいるシーンはコミック版では以下のようになっており、セリフも改変されていた。)
裏表紙に書かれた説明文も意味不明です。
赤枠には中二蘿莉白飄飄(中二病ロリータ白飄飄)という記述がありますが、白飄飄とは彼女のことです。
全く中二病らしさを感じませんし、ロリでもないです。どっちかというと童仙仙の方が幼く見えます。
中国では、日本のオタク用語が本来の意味と異なる、または曲解され、もしくはイメージが広がりすぎて、何故対象にその言葉が使われているのかわからないという現象が起きます。一体この紹介文を書いた人間は白飄飄(作中では柳飄飄という名前)の何を見て中二蘿莉と形容したのでしょうか。中二病もロリも中国と日本で全く違う使われ方がされているとしか思えません。
この作品は今もネットで連載されていて、今後は2人がカップルになったり、凌小邪の方にも気になる女性が現れたりするらしいのですが、そうなると単なる恋愛漫画に成り下がりそうです。
そしてこの漫画の作者「正月」は何と、『快把我哥帯走』の作者「幽・霊」と同じく双子だそうです。こちらは双子の兄弟だそうですが、中国の漫画界は双子でデビューするのが流行っているのでしょうか。