さーて2週間の出来事でも書こう。いや、本来なら11月15日(日曜日)の段階でずらっと書き上げて、今日は愚痴でも書きたかったんですけど時間の関係上、14日後の11月29日になったことをご理解下さい。
11月15、16日に日中アニメ交流会が行われました。
普通ならこういうイベントって2日目の方が盛り上がるんでしょうけど、16日が平日だったって言うこともあり、最初からクライマックスでした。
10:00~開会挨拶とともに日中両国のゲスト登場
10:30~アニメ『サマーウォーズ』上演
19:00~古谷徹、金月真美のトークショー
あの細田監督の最新作サマーウォーズと、ヤムチャやアムロやセイヤでお馴染みの古谷徹氏と、ときめもの詩織こと金月さんがやって来てるんですよ。実はその間にもアニメに関する講座がが開かれたのですが、重要なのは朝と夜の部。
この知らせを聞きつけたボクは早速サイトで参加申し込みをしたのですがここで一抹の不安が。当日はかなりの数の来場者がいるはず、会場がどれほどでかく事前予約していようともボクの座席はステージからかなり遠いところになるんじゃないだろうか。
そんなことを悩んでいると知人の○○さんが声をかけてくれた。
阿井君阿井君、キミ、このイベントに行くんなら良いものあげるよ。
といって渡されたこのメディア証。
これさえあれば指定されたメディア席、すなわち最前列に労なくして座れるのだ。
ありがとう○○さん、ありがとう。
そして当日、受付にて
ああ、阿井さんですね。○○さんから話を聞いております。
すげぇ、名前出したらオッケーもらえるなんて!
ときめもの大ファンだそうですね。今日は金月真美さんが来てくれて本当に良かったですね。
○○さーーーーっん!!
しかも来たメディアが予想より多かったそうで、ボクはメディア席座れなかった。映画学院が会場なのでキャパシティは申し分ないのだが、たまにこういうことがよく起こる(矛盾しているようでしていない)。
それでサマーウォーズを観たわけですが、ボクは予備知識0で行ったので、三崎亜紀の「となり町戦争」とか「ぼくらの七日間戦争」みたいなストーリーを想像してたせいで、開始当初から面食らった。
まぁ映画の内容はまた今度触れるとして久々に映画舘(?)で大人数で映画を観たんで、映画の内容より五割増しほど感動しました。
200人ぐらいの中国人と一緒に観たことになるんですが、会場の反応が凄いんですよ。一応中国語字幕もあるんですが、明らかに日本語音声に反応して笑ったりしてるんです。会場がまとまって一喜一憂してるんです。そりゃクライマックスはボクの目に涙も浮かびますわ。
興奮冷めやらぬまま次は講座へ。日中共同制作アニメ「三国演義」の誕生秘話を聞きに行く。
講師として招かれていたのは制作元であるアニメ会社社長とタカラトミーの役員。なぜ日本のおもちゃ会社が同席しているのかというと、そもそもこのアニメ「三国演義」、日中共同を謳ってはいるがその実際はほぼ完全な中国製。タカラトミーが資金提供をして中国でのグッズ展開を狙っているというもので、アニメーターから何から全て中国人が担っているのだ。
だから今時もっさりヒゲの生えた関羽が出て来ちゃうんです。
講座の内容は、なぜこのアニメを作ったかその理由から始まり、三国演義のオンラインゲームが近日発表されるという宣伝で終わった。
中国が誇る講談三国演義をできるだけリアルに(なんか矛盾してるけど)アニメにすることが、国産アニメ普及の第一歩だと言う。次回作でも中国の古典を取り扱うらしい。
確かにこの決定は間違っちゃいない。日本では既に横山光輝や吉川英治らの手によって現代風に訳されてはいるが、中国では代表作と言えるものがまだない。だからアニメという手法で子供が観ても耐えられる(子供だましっていうけど、子供の方がシビアだよな)『原典』を作って、それからオリジナル作品を生み出したらいい。
でもボクは話を聞きながら、中国は結局オリジナルアニメを生み出せず、原作も自由に改変できず型通りのアニメを作り続け、いつか毛沢東アニメでも作るんじゃないかと危惧していた。
そしてタカラトミー。担当者が日本人だったので、通訳を交えながらの講座になったがもちろんこれはボクにとってありがたかった。タカラトミーは中国市場に日本の流通形態を持ってきたかったようだった。アニメ化と同時にグッズ展開、そしてプロモーション、飽きが来る前に第2弾を打つという売り方。
これまで既にフィギュアやカードゲーム、そしてベイブレードなどを売ってきたタカラトミー。彼らの心配は海賊盤の出現だった。
そもそも中国ですらメジャーかどうかわからないこのアニメのグッズにニセモノを作る手間を誰がかけるのかといささか疑問だったが、そこらへんは上手くやるらしい。
その手段の一つにベイブレードのニセモノ対策が素晴らしかった。写真右上にあるベイブレードは単なるベーゴマの改良品じゃない。ちゃんと三国演義の特徴を捉えたディティールが効いている。曹操ゴマとか関羽ゴマとか種類が豊富で、そのキャラの特徴に合ったコマがあるそうなのだ。そして必見はラジコン内蔵。動くコマを操作できるそうだ。
こんだけ凝ったものはなかなかコピーできないだろというのがタカラトミーの言い分。
でも日本でもけっこう良い値段するベイブレードがそうホイホイ売れるわけがない。多分本当の狙いは、とりあえずベイブレードを作って、三国演義ベイブレードを使って戦う少年少女のアニメを出してから本格的に売り出すんじゃないだろうか。
あとTBSのアジアを対象にしたアニメコンテスト講座もあったんだけどそこは飛ばします。
その講座も終わり、とうとうやってきたメインイベント。開始一時間前から長蛇の列が並ぶ。
メディアパスを首からぶら下げてるボクは、おそらくこれのためだけに遠くから来たんだろう学生たちを前にして列にも並ばず余裕ぶってた。
なんかシャアの格好している女の子とかセイントセイヤのクロスボックスを持ってる奴がいたけど気にしない。
19:00 宴開始
古谷さんと金月さんの登場で会場の歓声が凄まじいことに。
お二人のトークはとても面白く、正直二人のことなどあまり知らないボクも観客と一帯になって笑っていた。
一応ステージには通訳がいて二人の話を訳しながら進行しているのだが、通訳する前から客席から笑い声が聞こえる。このイベント本当にレベル高い。
対するメディア席の反応は薄い。まぁ声優に興味があって来たわけでもないだろうから当然だろう。
ただ、ボクの隣に座っている男だけは古谷さん口を開けるたびに、ステージに向かって何か絵を見せていた。
それなに?と尋ねたボクに彼が見せてくれたものは
お前絶対メディア関係者じゃないだろ!
話を聞いてみるとこの人は日本で働いたことのあるアニメーターで、このアムロの絵は富野監督から貰ったものだとか。でも素手で触ってるから指紋でベトベトだよ。
彼はアムロが大好きなようで、古谷さんがステージ上にいないときは会場から出て行くというほどの徹底ぶりだった。
その後観客参加型のアフレコやお二人の歌、スペシャルゲスト浜口祐夢さんのライブで大いに盛り上がって無事イベントは終了・・・・・・
と思いきや、何やら出口付近に警備の姿が。おいおい、ココまで来てもめ事なんかイヤだぜと興醒めしてしまった。
しかしそれはボクの認識の甘さだった。ボクはこれまで2年間中国のオタクの凄まじさと素晴らしさを多少は知っていると自負していたが、実は彼らの行動力については無知だったのだ。
司会者が閉会宣言をするや否や、まるでレフト4デッドのゾンビみたいにステージに駆け上がるオタクたち!色紙やノートを持っていて、古谷さんたちに迫っている。それを鎮めようと一拍遅れて壇上に上がる警備員たち。
あとでわかったんですけど、さっきのアムロ好きの彼は別にイベントに興味がないから途中に何度も退席してたんじゃなくて、古谷さんがステージから下りて控え室やトイレに行く間を狙ってサインをもらいに行ってたんですね。
あまりの光景に写真を撮るのも忘れました。
日本でこういうイベントに全然興味がなかったんで、ボクにとって声優トークショーというのはこういうのが基準になっちゃってるんですけど、絶対違うよなぁ……