異国で生活していて自国の飯を喰うってことは良いストレス解消になります。その点において中国に住む日本人は他の外国人よりもけっこう恵まれた境遇にいると思います。現在中国にある日本料理屋の数は吉野家や味千ラーメンなどのチェーン店を含めなくても、外国料理店としては最多でしょう。
もちろんサービスや味が日本と同等の日本料理店はまずありえません。サービスや味が良ければその分価格は上がりますし、リーズナブルであればサービスや味は劣るでしょう。価格の面で言うと日本と比べれば遥かに易いですが、それでも中国のローカルな飲み屋よりは割高になってしまいます。
日本人が経営していたらサービスもそこそこ行き届いて味も価格もそれなりなのですが、日本人がいると知ると客の期待も無意識に上がるもので、結果として日本の店と比べられて期待に応えられないこともしばしばです。
料理長から従業員まで日本人で揃えて価格に見合ったサービスと味を提供してくれる高級日本食店はコースメニューが3,000元以上もするので、そもそも日本の一般的な飲食店と比べることがお門違いでしょう。
一般的な日本料理屋は経営者が中国人でも日本の店と比較しなければそれなりのものを提供してくれます。そして日本の外国料理店の一番の客が日本人であるように、こっちの客の大半が中国人なのですから何も日本同様に凝った料理などを出さなくても客は入ってきますし、下手に工夫してしまうと中国人客から敬遠されてしまいかねません。
日本人客からも中国人客からも受け入れられない中途半端なコンセプトの店は競争に勝ち残れず閉店してしまいます。あれこれ考えた挙句に潰れてしまった日本料理屋を発見すると、何ら特色のない中華料理しか出さないローカルな食堂に客が溢れている現実に泣きそうになります。
というか、なんの創意工夫もせずただ中国人好みの『日本式』料理を出す店の方が不器用に『日本色』を出す店よりも長生きしそうな気さえします。
さて、日本人経営ならまだしも中国人がやっていて中国人客を対象にしている日本料理屋に日本人がとやかく言うのは筋違いなのですが、それでもやはりひとこと言いたい店を最近見つけたのでここに書きたいと思います。