去年のネットニュースで筒井康隆がラノベ(ライトノベル)を書くぞという目を剥くような記事を読み、てっきり書き下ろしだと思っていたらまさかの連載作品。しかもファウスト、二年半ぶりに出版された千ページ以上のノベルスマガジン。
なんで中国にいるのにファウストなんか読めるんだろう・・・・・・
こんなの持っているのは中国広しといえども自分ぐらいだろうと自慢気にページを開いたら、佐藤友哉特集と共に中国サブカル特集がセットだった。これについては別に書きますが、講談社はいま中国をターゲットにしている。マーケットとしてではない、人材畑としてだ。
ビアンカ・オーバースタディは前述したように、『時をかける少女』や『銀齢の果て』など傑作と問題作を生み出す筒井康隆先生が挑戦したライトノベル。
ちなみに《オーバースタディ》とは《勉強しすぎる》という意味。同じクラスのニュージーランド人が教えてくれたものだから本当です。
内容は、簡単に言ってしまえば美少女が男の子をメチャクチャにするという話です。
中国にいても日本の情報は入る。福田総理辞任はもちろんのこと、24時間テレビでエドはるみという芸人が走ったことも、ジャンプでダブルアーツが打ち切られたことも、秋の新作アニメの内容も耳に入る。
先日、同じ中国留学生でアニメ好きの友人から「とらドラ!のヒロインは釘宮以外ありえない」というメッセージが届いた。
釘宮は声優のだろうけど、『とらドラ!』ってどんなアニメだ?と気になりウィキペディアで調べてみた。
電撃文庫のライトノベルが原作のこの物語のヒロインは、『チビ』で『美少女』で『金持ち』で『不器用(家事も人付き合いも)』という釘宮的ツンデレ要素満載のキャラクターだった。友人の言うことには一理ある。
さらにググってみるとヒロインの声優が釘宮理恵になるのはもう確実らしく、いくつかの掲示板には7;3ぐらいの賛否両論の意見が交わされていた。
また友人はこんなことも言っていた。「小説を読んでるとヒロインの台詞が釘宮声で変換される」と。
掲示板でもこのような意見があった。
彼らの意見の根拠はおそらく『ゼロの使い魔』というライトノベルや『ハヤテのごとく!』という漫画から来ているのだろう。二作品はもう既にアニメ化していて、それらヒロインは環境こそ違えど『チビ』『美少女』『金持ち』『不器用』と『とらドラ!』のヒロインと同じ要素を持っていて、釘宮が声優を担当している。
ツンデレ声優釘宮の地位が確立されて、釘宮がやるツンデレキャラが形を持ったのは『ゼロ~』からだろう。だからこそ同じようなキャラクターを見た彼らが、まだアニメ化していない作品を読んで頭の中でつい釘宮理恵の声を再生させてしまうのも仕方がない。
『とらドラ!』がアニメ化しヒロインが釘宮になる結果に、自分の予想が当たったと喜んでいる読者は多い。
だけど果たして作者はヒロインの声優が釘宮理恵になることを喜んでいるのだろうか。
(ここから、『とらドラ!』は『ゼロ~』や『ハヤテ~』のアニメを観た作者が自分の作品で釘宮キャラを作ろうと真似をして見事それが実った、と持論を展開できれば良かったのだが『とらドラ!』の出版年月日は2006年3月、『ゼロ』のアニメは同年6月から始まっているのでこの説はもう成り立たない。だから本当はキャラクターの性格と声優の密接な関係を述べれば良いんだけど、敢えて初めの考えを貫くことにする)