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プロフィール
HN:
栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
33
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

 Mail: yominuku★gmail.com
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このブログは、友達なんかは作らずに変な本ばかり読んでいた二人による文芸的なブログです。      
 
 9月24日(土)、人民大学で推理小説イベントが開催されました。
 
 参考サイト:“謎”花倚石忽已“明“
 
 40名以上の大学生を集めたこのイベントを取り仕切ったのは人民大学の学生サークル中国人民大学推理協会と、ミステリマガジン【歳月・推理】を刊行する歳月推理雑誌社です。
 
 
 開始時刻になると講堂のスクリーンに推理クイズが映し出されました。正解者には【歳月・推理】が贈呈されるのですが、なかなか難しかったのか、それともみんなクイズよりもこのあとに行われるプログラムの方に興味があるのか、正解者は少なかったです。
 
 
 
 クイズの答え合わせが終わると次は当サークルの紹介に入ります。

 rendatuili.JPG

 この推理協会は2010年4月に人民大学で発足した学生サークルで、毎週集まってミステリ関係の映画や小説を鑑賞し内容に関して討論をしたり、トリックやアリバイを考える『殺人ゲーム』をすることが主な活動だそうです。日本の大学の、いわゆるミス研とはちょっと違った趣きがあります。
 
 
 紹介のあとはいよいよ本日のメインイベント、推理小説家の午曄(wu ye)先生と言木光(yan guang guangは木偏に光で1つの漢字)先生の講演です。
 
 参考サイト:百度百科・午曄
 :百度百科・言木光
 

 
 両者とも歳月・推理の誌面を古くから支える有力作家。
 
 rendatuili1.JPG
 午曄先生は北京の某大学で教鞭を取っているらしく、流石に大勢の前で喋るのは慣れたもので話の展開が上手く、またそのスピードが恐ろしく速い。

  rendatuili2.JPG
 言木光先生は柔らかい言葉遣いで自らの経験を踏まえながら【創作】というテーマを中心に語ってくれました。
 
 
 ここで2人の講義内容を書き記すことが出来たらまともなレポートになるのでしょう。しかし中国人が中国人に向けて披露する遠慮なしの中国語はあまりにその速度が速く、また生粋の発音でもあり、私の語学力では話の4割程度しか理解できませんでした。

 
 ただ幸いなことに午曄先生も言木光先生も話の重点が似ていたので、2人の意見をまとめてみようと思います。
 

 講演の中で午曄先生は、理工系のエンジニアという自身の立場から、警察などが犯罪調査に使用している現代科学技術を推理小説の中で無視せずに応用し、読者が納得できるロジックを構築する必要性を訴えました。
 そして言木光先生は外国語習得者として、海外に出たことのない人間が安易に海外を推理小説の舞台に選ぶその危険性を語っていました。
 
 
 ただ2人の話で共通していたのは、現在の中国推理小説界はミステリの【本土化】、つまり中国大陸独自のミステリを生み出すことが課題ではあるものの、トリックの優劣以前に生活感やリアリティに欠け、物語自体に問題のある作品が多すぎるという指摘です。
 
 
 講演で2人が語った【本土化】とは具体的に何を指しているのか、私には理解できませんでした。
 
 中国を舞台にした推理小説ということが【本土化】の第一前提なのでしょうが、外国人受けする時代や史実を単純に物語の背景に設定すれば良いということでもないでしょう。

 両先生が仰った物語に生活感やリアリティを出すことが【本土化】の第一歩を意味しているのであれば、そのミステリが社会派にせよ本格派にせよ、物語中に何らかの形で中国の真実を反映させていることが肝心です。
 

 例えば、推理小説には欠かせない【警察】という組織を扱うにしても、それは『公安』を意味する広義的な言葉として用いられているのか、『武警』や『城管』と混同していないかなど、それぞれの特徴を明確に書き分けることも【本土化】の一要素だと思います。
 

 ぶっちゃけて言えば、中国についてもっと勉強し、中国人が共感するネタを選べ。ということなのでしょうか。
 

 そう考えると、既晴が書いた【献給愛情的犯罪】は台湾人作家の手による小説であるものの、まさに【本土化】したミステリでした。

過去ブログ:献給愛情的犯罪 著:既晴

 これに収録されている《考前計画》は95年に書かれた既晴の処女作ですが、苛烈な受験戦争や子供を愛憎する教育ママ、そして海外留学という中国の教育界に散見する話題を取り上げている一方で、ほどほどのフィクションが盛り込まれミステリ小説の体裁をなしていました。
 
 
 何にせよ、現実を無視した都合のいい展開やリアリティのないトリックを持ち出されたら【本土化】は遠退くばかりですが、かと言ってオリジナリティのない紋切り型のストーリーもそれはそれで困りもの、と言ったところでしょうか。
 
 
 
 話を戻しますが、先生方の話が終わると質問タイムに入りました。まぁその間に私は、司会者に本名バラされてみんなの前に出てちょっと話せとムチャ振りされたのですが、そこは必死に拒絶をすることで事なきを得ました。
 

 そして何事もなかったかのように始まった質問タイムでは、学生たちの質問が矢継ぎ早に先生方に浴びせられます。ただ、このあたりでもうメモを取るのを止めていたのでどんな質問が飛び出したのかは覚えていません。

 質問者には2人のサイン本が贈呈されるということもあり質問の内容は正直ピンきりでしたが、先生方の答えもユーモアに富み、場は最後まで盛り上がったままでした。
 
 
 
 歳月・推理がミス研と合同で開いた今回のイベントは奇しくも我が母校(ただの留学先ですが)の人民大学で行われましたが、今後は清華大学や北京大学など他の大学のミス研とも関わって今回のような推理小説家の講演などを行うようです。

 もちろん人民大学推理協会は今後も定期的に活動しますし、歳月・推理以外の出版社とも協力してイベントを開きます。


 現在北京に留学していてミステリに興味のある学生は、各大学のミス研の活動に参加してみてはいかがでしょうか。
 
 
 さて、最後に午曄先生と言木光先生に出来なかった【本土化】に関する疑問をここに載せます。
 
 

 中国ミステリが目指すべき【本土化】とは、本格派や社会派や日常系などと同等のミステリの一ジャンルとして捉えるべきなのか、それとも推理小説というカテゴリー全体を包み込む巨大なテーマと考えるべきなのでしょうか。後者の場合だと目的が大きすぎて、これから推理小説を書く人が二の足を踏むのではと危惧してしまいます。

 

 このぐらいのセリフが中国語でパッと言えたら、推理協会の学生たちをガッカリさせることもなかったんでしょうね。

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